妊娠中、アプリや情報サイトでさい帯血の広告を目にすることが多いのではないでしょうか。
病院でパンフレットをもらったり、母親学級のスピーチを聞いて知った方もいるかもしれません。
気になってはいるけど、本当に必要かな?怪しい会社じゃない?など、保管を決めかねている方の参考になればと思います。
赤ちゃんのためになるなら契約したいけど、どうなんだろう??
さい帯血って何?なぜ保管?
さい帯血は赤ちゃんのもの
さい帯血はへその緒の血のことです。
へその緒の血はママではなく、赤ちゃんの血液に分類されます。
へその緒の血の中には、幹細胞が豊富に含まれていて、赤ちゃん特有の病気(脳性麻痺、自閉症など)の治療に役立つ可能性があるんです。
国内では臨床研究段階ですが、海外では自身や家族のさい帯血が再生医療に使われています。
公的バンクと民間バンク
さい帯血の保管方法は大きく2つあります。
公的バンクへの無償提供、民間バンクでの自費保管。
公的バンクへの提供は、献血と考え方は一緒で、さい帯血が必要な他者のために役立てるものです。
用途としては、白血病などの血液疾患の治療になります。(ちなみに白血病の治療には自分のさい帯血は使えない)
民間バンクでの保管は、保管者が必要な時に、自身もしくは家族のために役立てるものです。
さい帯血の採取は安全?
前述の通り、さい帯血はへその緒の血なので、出産時にしか採ることができません。
赤ちゃんを出産したあと、胎盤を排出する前に採取します。
へその緒に針を刺して採取するので、赤ちゃんに危険が及ぶことはないですし、ママも痛みを感じることはありません。
さい帯血は必ず保管できる?
さい帯血バンクの提携医療機関で、順調に分娩が進めば採取可能です。(事前に契約、採取キットの受け渡しが必要)
緊急や特別な措置が必要な場合は、病院の判断で採取を見送る場合があります。(帝王切開での採取可否は病院による)
また、採取できても規定量に達していなかったり、細菌混入などの理由で保管できないこともあります。
民間バンク ステムセル研究所とは
国内最大の民間さい帯血バンクで、シェアは99%、保管先としてはほぼ一択といった状況です。
保管する上で、信用に足る企業か?ということが一番重要になるかと思いますが、20年以上さい帯血バンクをやっている上場企業で、大きな事故もなく、安定した経営をしているという観点からは安心できるかと思います。
2022年現在でさい帯血の保管者数は60,000人超、2021年からは、さい帯血とセットでさい帯(へその緒)の保管サービスも始めたそうです。
国内ではパイオニア的存在ですが、海外ではすでに確立した事業であることから、今後日本でもどんどん事業拡大していくことが予想されます。
悩むべきポイント
ざっくり事業や会社のことを理解した上で、契約するかどうか、私が悩んだポイントは以下の通り。
懸念点
- 健康であれば使うことはない
- いつ臨床試験をパスするか不透明
- 費用が高いと感じる
正直、保管するに越したことはないので、保管することによるデメリットはありません。
ただ、使う可能性と費用を天秤にかけて納得できるかどうか、だと思います。
対象の疾患にかかるかどうか、使用したいときに国内で治療に使えるようになっているかどうかは、現時点ではわからないことです。(海外での治療は可能)
現時点では“保険”や“御守り”の意味合いが強いことは理解しておくべきです。
費用
(さい帯血のみ)
10年 275,000円
20年 330,000円
※その他、さい帯血+さい帯保管のプラン、さい帯血が採取出来なかった場合のみさい帯を保管するプランがあります
参考 料金について:ステムセル研究所
高額に感じるかもしれませんが、海外バンクの保管費用と比較すると決して高くはないそうです。
同社のサイトには芸能人保管者の声が載っており、「保管者は一部の富裕層だけなのでは?」と思う方もいるかもしれませんが
私の周りでも保管している友人はいますし、分割払いやカード払いも出来るので、決して敷居は高くないようです。
発症割合
さい帯血を用いた治療が期待される代表的な疾患
・脳性麻痺 乳児1000人のうち1~2人
・自閉症 生まれてくる子どもの1,000人に1人か2人
参考① 脳性麻痺:MSDマニュアル
参考② 自閉症Q&A:厚生労働省
ただし、自閉症(ASD)に関しては近年増加傾向で数十人に一人とか、男児に多いとか、ネット上には様々な情報がありました。
まとめ
臨床研究や治療のレポートなどは、ステムセル研究所のさい帯血情報のページで随時配信されています。
さい帯血は、使わない方がいいけど、あったらもしもの時に安心。
実際に保管したさい帯血を使って海外で治療して救われた方がいるのも事実。
安い買いものではないので、家族としっかり話し合って契約検討してみてくださいね。
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